ハーヴェストは英国のメジャー、EMIレコードのレーベルとして1969年に設立されました。
ビートルズの「サージェント・ペパー」(67年)以降でしょうか、単純化して言えば従来のロック(ビートバンド)の枠を越えたロック(プログレ)の誕生という新しい音楽の流れに対応するため、他のメジャー・カンパニーも時期を同じくしてヴァーティゴ(フォノグラム)やドーン(パイ)といった新レーベルを設立しています。
ハーヴェストも実験的なアーティストの作品を供給するという理念を表明していたようですが、それらのレーベルほどアンダーグラウンド色は強くなく、66年にデッカが先んじて設立したデラムに性格は近い気がします。
80年代に入るとハーヴェストはピンク・フロイド用のレーベルといった状態になり、そのピンク・フロイドが「ファイナル・カット」を最後にレーベル離れたため83年に終息したと考えられます。
ピンク・フロイドが離れたと言うより、ハーヴェストが新設のEMIレーベルに吸収されたのでしょう?
1)レーベルデザインの遍歴をみるという主旨により、原盤所有権のありどころは考慮しておりません。
2)レコード・リストは現在のところ私と黒猫骸さん、タキモトさん、Keitaさん、Pink
Islandさん、何処でもない男さん、faust20000さん、BTMさん、くろきさんの所有するタイトルでできています、ご協力感謝します。
3)黒猫骸さんの「音盤三昧」、タキモトさんの「UNTITLED」はマニアックな英国アルバム情報満載のHPです、ご案内はBIBLIOGRAPHYからどうぞ。
4)Keitaさんは本レコード・コレクトエラーズにてCHARISMAレーベルを担当してくださってます。
5)Pink Islandさんのコレクション・プロフィールはMY RECORD HUNTING
DIARY/2002.11.11、何処でもない男さんは2003.3.16、faust20000さんは2003.5.20、BTMさんは2003.2.21、くろきさんは2007.7.16にてご紹介中!
6)あなたのお持ちのレコード情報やご質問、私の事実誤認がありましたらご指摘ください。
その他どんなことでも結構です情報提供をお待ちしております。
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Gramophone Rim/I 1969
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グラモフォン・リム(第1期)
ハーヴェストは10余年の歴史のなかで、ロジャー・ディーンによるレーベル・デザインを変更することはありませんでした。
とはいえコレクターというのは恐ろしいもので、わずかな違いも見逃すことはできません(苦笑)。
リムに下記のような表示がされることからグラモフォン・リムと呼ばれるレーベルは5つのタイプに分類できるようです。
この第1期グラモフォン・リムには他の画像を見比べておわかりいだだけるように、ハーヴェストのロゴの上に第3期以降に見られるEMIのボックス・ロゴがありません。
また注目すべきことはタイトル上部に再販価格の言明がされていることです。
これはビートルズ・コレクターがセントラル・リマークと呼ぶ有名なもので、ここではそれに習い、セントラルではありませんが同様の呼び方をしたいと思います。
1964年から69年にかけてEMIのレーベル全てにこれがあったと推測されます。
少なくとも64年7月から69年9月発売のものは該当するでしょう。 従ってハーヴェストに関しては69年設立ですからこのレーベルをオリジナルとするものは、ずばり第1回7月新譜の下記6枚と9月発売「パナマ・リミテッド・ジャグ・バンド」ではないでしょうか?画像の提供は黒猫骸さん、セントラル・リマーク情報はビートルSさんのご協力を仰いでおります。
RIM=THE GRAMOPHONE CO. LTD.
CENTRAL REMARK=SOLD IN U.K. SUBJECT TO RESALE PRICE CONDITIONS, SEE
PRICE LISTS
SHVL751 |
DEEP PURPLE |
THE BOOK OF TALIESYN |
1969 |
黒猫骸 |
SHVL752 |
BATTERED ORNAMENTS |
A MEAL YOU CAN SHAKE HAND WITH IN THE DARK |
1969 |
タキモト |
SHVL753 |
PANAMA LIMITED JUG BAND |
PANAMA LIMITED JUG BAND |
1969 |
faust20000 |
SHVL754 |
SHIRLEY & DOLLY COLLINS |
ANTHEMS IN EDEN |
1969 |
黒猫骸 |
SHVL755 |
MICHAEL CHAPMAN |
RAINMAKER |
1969 |
(整理上) |
SHVL756 |
THIRD EAR BAND |
ALCHEMY |
1969 |
黒猫骸 |
SHVL757 |
EDGAR BROUGHTON BAND |
WASA WASA |
1969 |
黒猫骸 |
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Gramophone Rim/II 1969-71
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グラモフォン・リム(第2期)
セントラル・リマークが無くなった第2期グラモフォン・リムです、まだボックス・ロゴは見られません。
プリフィックスがSHVLなら758バタード・オーナメンツ「マントル・ピース」から791「エドガー・ブロートン・バンド」がこのレーベルになるようです。
SHSPなら初盤である4001アイク&ティナ・ターナー「ハンター」から4012サザン・コムフォート「フロック・シティ」までになると思います。
タキモトさんからゲットしたよとご連絡をいただき第2期である確証が得られました。
みなさまのおかげでハーヴェストはかなりイイ線になったと思っています。 ありがとうございました。
RIM=THE GRAMOPHONE CO. LTD.
SHVL758 |
BATTERED ORNAMENTS |
MANTLE-PIECE |
1969 |
(整理上) |
SHVL759 |
DEEP PURPLE |
DEEP PURPLE |
1969 |
黒猫骸 |
SHVL762 |
BAKERLOO |
BAKERLOO |
1969 |
黒猫骸 |
SHVL763 |
KEVIN AYERS |
JOY OF A TOY |
1969 |
BuzzyBee |
SHDW1/2 |
PINK FLOYD |
UMMAGUMMA |
1969 |
黒猫骸 |
SHVL765 |
SYD BARRETT |
THE MADCAP LOUGHS |
1070 |
BTM |
SHVL769 |
GREATEST SHOW ON EARTH |
HORIZONS |
1970 |
タキモト |
SHVL773 |
THIRD EAR BAND |
THIRD EAR BAND |
1970 |
黒猫骸 |
SHVL775 |
QUATERMASS |
QUATERMASS |
1970 |
タキモト |
SHVL777 |
DEEP PURPLE |
DEEP PURPLE IN ROCK |
1970 |
黒猫骸 |
SHSP4001 |
IKE & TINA TURNER |
THE HUNTER |
1970 |
(整理上) |
SHVL781 |
PINK FLOYD |
ATOM HEART MOTHER |
1970 |
タキモト |
SHSP4005 |
KEVIN AYERS |
SHOOTING AT THE MOON |
1970 |
BuzzyBee |
SHSP4012 |
SOUTHERN COMFORT |
FROG CITY |
1971 |
タキモト |
SHVL790 |
GREASE BAND |
THE GREASE BAND |
1971 |
(整理上) |
SHVL791 |
EDGER BROUGHTON BAND |
EDGER BROUGHTON BAND |
1971 |
黒猫骸 |
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Gramophone Rim/III 1971-72 |
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グラモフォン・リム(第3期)
1971年になるとハーヴェストのロゴの上にEMIのボックス・ロゴが付されるようになりました(レーベルとしてのEMIが設立されたのが確か71年だったはずです、これと連動した動きととらえると納得)。
第3期は72年まで使用されました。 プリフィックスでいえばSHVLなら793「ファイヤー・ボール」から803のロイ・ウッド「ボルダーズ」となります。
SHSPなら4013ムーヴ「メッセージ・フロム・ザ・カントリー」から4019サード・イア・バンド「ミュージック・フロム・マクベス」になるはずです。
keitaさんと黒猫骸さんからいただいた情報でカタログ番号まで解明することができました。
傘下レーベルである米キャピトルのアルバム・ジャケットでも同じ頃からEMIボックス・ロゴが表示されるようになったのが確認できます。
RIM=THE GRAMOPHONE CO. LTD.
SHVL793 |
DEEP PURPLE |
FIREBALL |
1971 |
黒猫骸 |
SHSP4013 |
MOVE |
MESSAGE FROM THE COUNTRY |
1971 |
何処 |
SHVL795 |
PINK FLOYD |
MEDDLE |
1971 |
黒猫骸 |
SHVL797 |
ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA |
THE ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA |
1971 |
Keita |
SHVL800 |
KEVIN AYERS |
WHATEVERSHEBRINGSWESING* |
1972 |
BuzzyBee |
SHVL801 |
SPONTANEOUS COMBUSTION |
SPONTANEOUS COMBUSTION |
1972 |
タキモト |
SHVL803 |
ROY WOOD |
BOULDERS |
1972 |
Keita |
SHSP4019 |
THRID EAR BAND |
MUSIC FROM MACBETH |
1972 |
黒猫骸 |
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Gramophone Rim/IV 1972-73 |
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グラモフォン・リム(第4期)
リムだけでなく、A面B面サイド表示の下にもグラモフォンが表示されているものがあります。
これがタイトル固有の現象なのか、時間的な意味を持つのか疑問だったのですが、皆様からいただいたりストを並べてみると年代的意味があったと考えるほうが合理的だと判断しました。
このレーベルを第4期とし、使用期間を1972年から73年までと考えます。
開始についてはカタログ番号まで特定できたと考えています。 SHSPはピンク・フロイド「オブスキュアード・バイ・クラウド」、SHVLも同じくピンク・フロイドの「ダーク・サイド・オブ・ザ・ムーン」でしょう(これはカスタム・レーベルですが、リムとサイド表示の下にグラモフォン、EMIボックス・ロゴが存在するためここでは整理上第3期に分類してあります)。
終了は次の第5期にあげたタイトルを参考に考えてみてください。 正解を突きとめた方は是非ご一報を(笑)。
ヤン・アッカーマン(オランダ人)の「プロフィール」はサイド表示の下の版権所有はオランダの会社だそうです。
RIM=THE GRAMOPHONE CO. LTD.
SIDE=The Gramophone Company Limited
SHSP4020 |
PINK FLOYD |
OBSUCURED BY CLOUDS |
1972 |
BuzzyBee |
SHSP4022 |
BABE RUTH |
FIRST BASE |
1972 |
黒猫骸 |
SHSP4026 |
JAN AKKERMAN |
PROFILE* |
1972 |
PinkIsland |
SHVL804 |
PINK FLOYD |
THE DARK SIDE OF THE MOON* |
1973 |
黒猫骸 |
SHVL806 |
ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA |
E.L.O. 2 |
1973 |
Keita |
SHVL807 |
KEVIN AYERS |
BANANAMOUR |
1973 |
BuzzyBee |
SHVL808 |
ROY HARPER |
LIFEMASK |
1973 |
(整理上) |
SHSP4025 |
WIZZARD |
WIZZARD BREW |
1973 |
タキモト |
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Gramophone Rim/V 1973-74 |
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グラモフォン・リム(第5期)
黒猫骸さんからご提供いただいた画像で確認できるように、サイド表示下のパブリッシャーがEMIになったものも存在します。
時代的な意味があるとすれば過渡期のレーベルになり、これを第5期と考えました。使用年代は1973年から74年としておきますが、この辺もカタログ番号の世界に入ってます。
ベーブ・ルース「エイマー・キャバレロ」(74年2月発売?)以外ではたぶん他にあっても次の4枚、SHVL809マーク=アーモンド「ライジング」、810エドガー・ブロートン・バンド「オーラ」、SHDW403ピンク・フロイド「ア・ナイス・ペア」、404シド・バレット「マッドキャップ・ラーフス」ではないでしょうか。
たいへん興味深いところとなっていますが、いずれにせよグラモフォン・リムの時代の最後を飾るのは「エイマー・キャバレロ」になりそうです。
RIM=THE GRAMOPHONE CO. LTD
SIDE=EMI Records Ltd.
SHDW403 |
PINK FLOYD |
A NICE PAIR |
1974 |
くろき |
SHVL812 |
BABE RUTH |
AMER CABALLERO |
1974 |
黒猫骸 |
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EMI Rim 1974-83 |
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EMIリム
1974年にはリムの表記がグラモフォンからEMIに変わってるためネーミングはEMIリムとしてみました。
ボックス・ロゴだけでは足りずリムもEMIに変えたとみると流れからしても自然ですよね(ホントか?)、EMIの巨大化という意味ですけれども。
そもそも、グラモフォンというのはデッカ同様、蓄音機のメーカーであって音楽供給部門としてEMIレコードを設立したのですが、ここにきて音楽産業の巨大化をにらんでメーカーの直接支配形態からの脱却を図ったいうところではないでしょうか。
EMIリム第1期開始はSHVLなら813番のビーバップ・デラックス「アックス・ヴィクティム」になるでしょう。
これが最終期のレーベルになると思います。同「ライヴ!イン・ジ・エア・エイジ」はカスタム・レーベルですがこれらのレーベル表記上の条件を満たしているためここに整理してあります。
タキモトさんからは「ソフト・マシーンのSIDE下表記はSOFT MACHINEになってます」とのご報告をいただいていますが、これは彼らが契約上音源をEMIに渡さず、自分達で管理したためだと考えています。
従って年代特定にあたってはここに分類してさしつかえないはずです。 「バンドルス」新品は2700円でゲットされたそうでくやしい(笑)。
RIM=EMI RECORDS LTD
SIDE=EMI Records Ltd.
SHVL813 |
BE-BOP DELUXE |
AXE VICTIM |
1974 |
BuzzyBee |
SHSP4030 |
TRIUMVIRAT |
ILLUSIONS ON A DOUBLE DIMPLE |
1974 |
Keita |
SHSP4034 |
WIZZARD |
SEE MY BABY JIVE |
1974 |
何処 |
SHSP4036 |
KAYAK |
KAYAK |
1974 |
Keita |
SHSP4044 |
SOFT MACHINE |
BUNDLES |
1975 |
タキモト |
SHSP4045 |
BE-BOP DELUXE |
FUTURAMA |
1975 |
BuzzyBee |
SHSP4058 |
BE-BOP DELUXE |
MODERN MUSIC |
1976 |
BuzzyBee |
SHVL816 |
BE-BOP DELUXE |
LIVE! IN THE AIR AGE* |
1977 |
BuzzyBee |
SHSP4059 |
ALBION DANCE BAND |
THE PROSPECT BEFORE US |
1977 |
タキモト |
SHTW800 |
SOFT MACHINE |
TRIPLE ECHO |
1977 |
タキモト |
SHSP4098 |
MORRISSEY & MULLEN |
CAPE WRATH |
1979 |
BuzzyBee |
SHSP4103 |
MIDDLETON & AHWAI |
ANOTHER SLEEPER |
1979 |
BuzzyBee |
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ABCAMPEXSARISTAASYLUMATCOATLANTIC
BEARSVILLEBELLWOODBLUE HORIZONBLUE THUMB
CAPITOLCAPRICORNCBS/SONYCHARISMACOLUMBIA
DECCADERAMDOUGHNUTDUNHILLELEKTRAEPICEXPRESS
HARVESTISLANDJETORPLIDPANAMREPRISE
SHOWBOATTHRESHOLDURCVERTIGOVIRGINWARNER BROS.
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2007.07.29 |